排卵検査薬はタイミング周期だけでなく、人工授精や体外受精でも活躍します。
勿論、人工授精も体外受精も医師の指示に従って行うものです。
しかし毎日、もっといえば数時間おきに病院にいくわけにはいきませんので、自分で自分の排卵するタイミングを把握することは、医師の診断の大切な参考情報になるため、患者としてできる重要なことだと思います。
明日排卵するかな?明後日かな~?排卵しちゃうかもしれないから明日実施しちゃおうか?みたいな会話などをクリニックで経験されたことありませんか?
普段のタイミングだけでなく、どういうときにどんな排卵検査薬を活用できるかの数例を筆者の経験も踏まえてまとめました。
医療行為において何か疑問点がある場合は、勇気を出して医師にどんどん聞いて確認してくださいね!
少しマニアックに書いてある部分もあるので、ササっと読み流してくださいね。
排卵検査薬の種類
排卵検査薬の種類については以前の記事に詳しくまとめていますが(【排卵検査薬の違いの比較と選び方】海外製or日本製?)、端的にまとめますと、海外製の方が日本製よりも価格が劇的に安く、且つ、感度が高いです。
感度が高いというのは、尿中LH(排卵前に分泌されるホルモン)をいち早く検出できる、ということになります。
海外製の中でも、ワンステップ排卵検査薬クリアが最も感度が高いです。1本69円~購入できますのでこちらが最もおすすめです。
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排卵検査薬で排卵を予測する
尿中LHと排卵については以下、日本産婦人科学会の「4.排卵の予測」から引用します。
血中LHサージ開始から34~36時間、血中LHサージのピークからは10~12時間で排卵する。血中LHサージと尿中LHサージまでの遅延わずか数時間であるため、尿検査にて簡便に排卵予測が可能である。
上記にあるように、基本的に、血中LHサージ開始から34-36時間で排卵するといわれています。
もう一つ引用します。
尿中LH検出は抗LH monoclonal antibodyを用いた Immunochromatography法による判定量法で行い、尿中LHが20 mIU/ml以上がサージ開始であり、カットオフ値は40mIU/mlに設定されている。月経予定日の17日前から連日測定し最も発色した日を陽性と判断する。検査陽性から2日以内に排卵を認める確率は91.1%と報告されている。
なんだか難しいことが書いてありますが、「尿中LHが20mIU/m以上がサージ開始」と書いてありますので、尿中LHが20mIU/mLになるのをいち早く検出できれば、その後約36時間後に排卵することが予測できます。
LHサージのピーク真っただ中であれば、感度が良くない他の海外製や日本製でも検出は可能ですが、それだと何時間後に排卵するのかがよくわかりません。
勿論、ワンステップ排卵検査薬を使ったとしても、可能な限り、1日朝夕2回以上検査していないとLH開始地点を把握できないので限界はあります。
とはいえ、できる限り感度が良い検査薬で検査するに越したことはないと思います。
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続いて、人工授精や体外受精でどういうときに使えるか活用方法を書いていきます。
人工授精時の排卵検査薬の活用
人工授精のやり方はクリニックによって様々です。
ご自身が信頼できる医師に従うべきですし、何か疑問点があれば医師に確認してください。
混雑しているクリニックでは聞きにくいですけれど・・
いずれにしても、人工授精は排卵のタイミングに合わせた方がより良いといわれています。
重要なので、以下にもう一度書きます。
上記の理由については、リプロダクションクリニック松林医師のブログ(Q&A1197 排卵期のタイミングについて教えてください)に先生の考え方を書いてくださっています。詳しく読みたい方は以下を読んでください。
さて、本題に戻りますが、人工授精はできる限り排卵するタイミングで実施できるとよいということで、クリニックによっては人工授精実施の36時間前に点鼻薬(ブセレキュア等)やHCG注射でのトリガ-を実施するところがあります。
筆者は4つのクリニックで人工授精経験がありますが、きちんと人工授精実施の36時間前に点鼻薬の指示があったクリニック1つだけでした。
その他は卵胞のサイズから大体の排卵期を予想したり、日曜は休診だから土曜日か月曜にしようかみたいな適当な感じでした。
「適当」という言葉は使い方がよくないかもですが、個人的にはそう感じてしまいました。
筆者は、ワンステップ排卵検査薬が陽性になってちょうど2日後に排卵ということが何度も確認できていたため
医師に自身で行っている排卵検査薬での確認状況を報告し、なるべくそれを参考に予定を立てた
【トリガー指示があるクリニックの場合】
トリガー前に排卵検査薬陽性になっていないことを確認
上記のように、トリガー指示がない場合は、排卵日近くなったら1日に朝昼晩の3回排卵検査薬でチェックし、医師に伝え、なるべく排卵検査薬が陽性になった翌日あるいは翌々日に人工授精を実施していました。
大抵クリニックは事前予約が必要で、容易に日付変更できない場合が多いので、その場合は、自分の中での理想の日取りでの実施が難しくなりますが、医師の指示に従って実施していました。
また、ご参考までに、
トリガー指示があった場合の、トリガー(ブセレキュア)使用前後で検査薬を使った時の写真を載せます。
トリガー前後の排卵検査薬使用結果
D11の22時と23時に点鼻薬使用指示がありましたので、トリガー前にLHサージが起こっていないかチェックしておきました。
せっかく排卵タイミングを合わせようっていうのに、もっと前からLHサージが起こってたら悲しいですからね・・。
図を見て頂くとわかるように、トリガー使用後はLHが検出され、人工授精実施前日夜には既に陰性になっていました。
人工授精当日は点鼻薬使用後から約36時間後の10時にエコーチェックとともに洗浄精子の投入を行いました。
筆者は人工授精は複数回実施していますが、筆者の場合は点鼻薬使用後36時間後はまだ排卵していませんでした。
同じようなやり方をしていても排卵済みの方もいますが、いずれにしても数時間の誤差なので、排卵前であろうと後であろうと、LHサージ開始から約36時間後に実施できていれば問題ないと主治医にいわれました。
ちなみに、人工授精実施時にHCG注射するところも多いですが(※)、LHサージが起こっていない状態であれば約36時間後に排卵するということになります。
医師の考え方や方針ですが、ただでさえ寿命が短い洗浄精子を投入してから約36時間後に排卵って、その人工授精はあまり成功率高くないんじゃ・・と個人的には疑問でした。
※HCG注射には黄体ホルモン活性化という意味もあります。
さらに、人工授精実施時に排卵済みという場合もあるかもしれませんが、それが数時間前くらいと予測できるならまだしも、1日前とかだと悲しくないですか?
ということで、
排卵2日前を知る検査薬>>ワンステップ排卵検査薬クリア
体外受精時の排卵検査薬の活用
体外受精には、完全自然周期の採卵から低刺激・高刺激周期の採卵まで様々です。
完全自然周期の採卵の場合は、クリニックで常に厳密にLHやE2等のホルモン値を測定していますので、基本クリニックにお任せしていれば大丈夫ですが、心配な場合は自分でも排卵検査薬を使うことをお勧めします。
検査をして損はないので(ワンステップ等の海外製であれば1本数十円ですし)、自分でも把握するに越したことはないと思います。
採卵時に排卵済にはなりたくないですからね・・。
勿論、LHサージ開始から「約」36時間後に排卵というだけで、もう少し早い方もいれば、40時間後くらいに排卵する方もいるので、そこまで厳密にはわかりません。
しかし、排卵済を避けるためには数時間おきに通うことはできないクリニックに任せきりにするよりは、自分でもチェックしてもいいのではと思います。
また、刺激周期でも、血液検査にてLHをモニターしますし、高まってくれば、事前にセトロタイド等の薬剤で排卵抑制をしますので排卵済の心配はほとんどありません。
とはいっても、事情あって、クリニックに行くのが医師の指示の次の日になりそうな場合など、LHサージは起こっていないよね?というのを自分でチェックできれば精神衛生上よいかと思います。
まとめ
タイミング時に排卵検査薬を使用されている方は多いと思いますが、人工授精や体外受精でも排卵検査薬は活用できます。
医師の指示通りにしていればほぼ大丈夫だとはいえ、毎日、さらに言えば、数時間おきにクリニックに通院するわけにはいきません。
・排卵してしまわないかな?LHサージ起こってしまっていないかな?と心配になった場合
・排卵予測を自分でも行っておきたい場合
是非、排卵検査薬を活用してください
排卵検査薬としては、尿中LHが20mIU/mLで検出できる高感度のワンステップ排卵検査薬がおすすめです。
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タイミング周期でも使え、一本数十円で使えます。心配になるくらいならケチらずに使った方がいいですし、医師に的確な診断の重要な参考材料になります。
不安が多い不妊治療ですが、自分でできることはして、ストレスを少しでも減らしたいですね!
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